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手織りの民族衣装
>>おすすめ「インド・ブータン・アジアの布染織美術館」
もう20年もたってしまいました。
ブータンに滞在していた頃、街に出るときにはいつも民族衣装の「キラ」を着ていました。普段着用のキラは、インドやタイから輸入した洋服地や、シンプルな手織りの布で作りました。
友達との話題も、もっぱら、衣装談義。 ちょっと変わったデザインの手織りのキラを着ていると、見せて、見せてと頼まれたり、男の子でも織りの"よしあし"が分るので、お祭りのときには、さながら品評会でした。
お祭り用の衣装は、知り合いの奥さんが何ヶ月もかけて織ってくれました。ときどき様子を見に行くと、ミルクティーを入れてくれて、私はあたたかいお茶をいただきながら、タン、タン、という響く機音をとても心地よく聞いていました。
この頃、都会では軽くて柔らかい布が好まれるそうで、力強く織り込む音は、そっと織り込む静かな音になってきました。
生活スタイルが変わり、衣装への愛着も減ってきたように見えますが、それでもお祭りに行くと、まだまだ美しく着飾った家族がやってきて、ブータンは織物の国なのだな、と思います。
伝統の染め
”染め”との出会いは、10年ほど前でしょうか。 神田にあるTEORIYAの店主、多田米子さんからの宿題で臙脂色を染める「ラック」の使い方を調べたときからでした。
化学染料におされて伝統の染めはもう誰もやっていないと思っていたのですが、実は他人には見せないようにしながら、こっそりと伝わっていたのでした。
たまたま友人が染めの名手で、彼女からたくさんのことを教えてもらうことができました。
枯れ枝から美しい色が出てくるのは、魔法のように見えました。
それに、わざわざ誰にも知られないように、隠れて染めるこだわりがおもしろい・・。
お土産品としての織物
外国人にも人気のある手織物は、村の女性たちの経済的自立を支えるための手段でもあります。
外国のデザイナーが、ツーリストに「売れる」織物を指導しているので、センスのよいストールなどが手工芸品コーナーに並ぶようになりました。安くて売れやすい”手織りそっくりな機械織り”や”インドで織った布”も並んでいます。
外国人にとっては、選択肢が増えてよいのですが、どの織物がブータンらしくて、どの織物が外国人を意識して織られたものかが、分らないので、ブータンらしいものを求める方にはかえって難しそうです。
「これは、とても伝統的なブータンのデザインです」
「これは、指導員のデザインです」
「これは、渋くてブータンらしくないけど、日本人は好きでしょう?でも、染めは全部ブータンの伝統染めですよ」
そんな風に織りに詳しい友人が説明してくれました。さっきまで手にとっていた布のかわりに、別のものを選らんだり、とてもよい買い物ができました。
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